SEALDsの学生デモを見て、
全く新しい形態の運動が出現したと
過剰に褒めそやしている
無知な人がいるそうですが、
あれはもう20年も前の
薬害エイズ運動で
やっていたことです。
特定の非常事態に対して
「個人」が緊急行動として
期間限定で行う運動
というのは、よしりん先生が
薬害エイズ運動に参加する際に
提唱したコンセプトですし、
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『脱正義論』P36
ラップでパレードというのは
その時の学生が考えて始めたことで、
CDの製作・販売もやっていました。
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『脱正義論』P29
ところが運動が注目された後、
これが利用され、変質し、
「個」を失って運動に埋没しかねない
若者が現れたために、
よしりん先生は運動を総括した
『脱正義論』を描いたのです。
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『脱正義論』P39
なので、SEALDsの運動を見ても、
私はデジャ・ヴュしか感じません。
ただし、薬害エイズ運動は、
実際に薬害被害者たちが、10代の子供まで
次々死んでいった時であり、
裁判の早期和解のために
どうしても必要な運動だった
という点が決定的に違います。
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『新ゴーマニズム宣言2巻・15章』
そして、裁判の和解という成果をもたらし、
勝利を得たということも全く違います。
学生参加の社会運動で勝利を収めた事例は、
おそらく後にも先にもこれだけになる
のではないでしょうか。
かつて薬害エイズ運動に参加し、
その後はきちんと日常に復帰し、
現在は40歳前後になっているであろう
元学生たちは、必要な運動に参加し、
勝利したことを誇りにしていいと思います。
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